2005 年 7 月 25 日 のアーカイブ

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「神なき神学」を説く神学者・高橋敬基

2005 年 7 月 25 日

先日、友人が送ってくれた「生きて死ぬ智慧」はベストセラーなんだそう。
詳しくは7/16の「空」を読んでね。般若心経なのだが、それを訳した柳澤
桂子さんは、生命科学者にして歌人という。先日の大地震の際、品川の
本屋で彼女の新刊本を見つけた。タイトルは忘れてしまったが、表紙は
現在の柳澤さんが写っていた。やはり只者ではなかった。

今までよく生きてたなぁと思うほど壮絶で、もし、こういう苦しみを味わ
ったら、この世に神も仏もあるものかと考える方が自然だと思う。人生
の半分以上を闘病生活で過ごし、自殺願望も強いという彼女の半生。

なぜ、自分だけがこんなに辛い目に遭わなければならないのか。痛み
をこらえなければならないのか。どんなに願っても健康になれないのか。
その長きにわたる深い悲しみは、私如きが知るよしもない。

昔、たまたま見たドラマで、足の不自由な中年女性(確か被爆者でもあっ
たと思う)が老いた父親と静かに暮らしていた。そこへ、新聞社か雑誌社
に勤める女性カメラマンが現れる。仕事をテキパキこなし、ポニーテール
が似合う元気で明るい彼女の周りには、いつも男性の姿があった。

主人公の中年女性は、彼女の若く眩いばかりの健康美に、自分が今まで
感じた事のない嫉妬、空虚感、絶望感等の複雑な感情に苛まれる。若い
彼女は、私にない全てのものを兼ね備えている。なぜ彼女のように、
健康で明るく可愛い女に生まれてこなかったのか。私の人生は何だっ
たんだろう。これからどうなるんだろう。

もう何から何まで、急に自分がみじめに思えてきて、真夜中に声を押し
殺し、一人泣く。泣いても泣いても涙が止まらない。これ以外、自分を
慰めるすべがない。だから、また泣く。そして、共感している自分がいた。

私はそのシーンしか覚えていないが、ドラマの主人公と柳澤さんがある
意味ダブって見えた。壮絶な闘病生活の最中、必死に救いを求めた柳澤
さんに、ある牧師さんが1冊の本を送った。タイトルは「他者中心性なる神」
残念ながら、Amazonにはなかったね(泣)。

この著者は、神なき神学を説く高橋敬基(よしもと)さんという神学者で、
ネットで検索したら翻訳もやっていた。教会で説教もしてるんだね。

柳澤さんの「まさに私の求めていた神がここにありました。私は無宗教
です」という一文が印象的だ。地獄を見た彼女が辿り着いた神とは? 
その世界観とは? そして、神なき神学とは?

私の新たなワンダーランドが始まろうとしている。
20050725

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