俳優・萩原流行氏との対談、雑誌掲載インタビュー

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俳優・萩原流行氏との対談、雑誌掲載インタビュー

このインタビューは、月刊誌「国際グラフ」2009年5月号に掲載された記事に、加筆・修正を加えたものです。インタビュアーは俳優・萩原流行さんです。萩原さんとは初対面でしたが、ご夫婦で鬱病に苦しんだ体験や目に見えない世界の事など、色々なお話ができて、とても有意義な時間を過ごす事ができました。

萩原流行氏:
 (以下、萩原)

「ココロのお休み処“空庵”」という看板を掲げておられます未空さんですが、どういう経緯で、このお仕事を始められたのですか?


未空:

私がまだ20歳ぐらいの頃、周囲にいた先輩方は、「作曲家」「ピアニスト」「画家」「料理研究家」などと、自分の職業を一言で名乗れる、才能豊かな自由業の人達が多かったので、「私には何があるのだろうか?」と愕然としてしまいました。そして、全てが中途半端で、何の才能もない自分にかなり落ち込んでしまい、20代にして自らを封印してしまったんですね。「何の価値もないダメな私」というレッテルを、勝手に自分自身に貼ってしまったんです。今では笑い話になるのですが、当時の私は本気でそう思い込んでいましたから、青すぎますよね(笑)。でもしばらくして、このままではいけない、私も何かしなければと思い直して、様々なジャンルの本を読んだり、語学を習ったり、理想の職業に就いてる人に、話を聞きに行ったりなど、干支が一周するほどさ迷った、「一生の仕事探し」が始まりました。私の暗黒時代ですね。


萩原:

自分が何をしたいのか、見えなかったのでしょうね。


未空:

ええ、全く。ただ、一生の仕事については、私にはおぼろげながら、いくつかの条件がある事がわかってきました。まずは「会社や組織の中に属せず、個人で独立してできること」。次に「加齢が有利に働いて、キャリアとして積み上げられていくこと」。そして「無料ボランティアではなく、プロフェッショナルとして、きちんとお金を頂くこと」。最終的には、この3つに絞られました。その間、アルバイトや派遣社員で働いていましたが、「これだっ!」というものが見つからず、焦りと自己嫌悪で悶々としていました。産業翻訳の通信教育を受けた事があって、「よし、これでやっていこう!」と思えるうちはいいのですが、もう一人の自分が「英文法が全然ダメなの知ってるじゃん。どう考えたって、プロの世界でやってける訳ないでしょ。絶対ムリムリ」っていう本音を、耳元で囁くんですよね。でも、ここで辞めてしまえば、また一から探さなければならず、それが辛くて、意地になって最終課題まで提出するものの、結局「やりました、終わりました。で?」という流れになってしまう。こんな事の連続でしたから、つくづく無能な自分が嫌でたまらなくなるんですよね。恋愛や海外旅行など、楽しい20代でしたが、いつも心の奥底では暗雲が立ち込めていて、気持ちがパーッとは晴れなかったです。周りは全く気づいてませんでしたけどね。そんな中、アメリカ西海岸、サン・ディエゴへ語学研修に行き、日本では決して味わう事のできない、様々な体験をして来た1年間は、私にとって本当に有意義でした。その全てが宝物ですね。今でも一人だけ付き合ってるフランス人の友達がいて、一番仲が良かったんですね。彼女は南仏のプロヴァンスに住んでいるのですが、メールのやりとりではなく、未だに文通してるんですよ(笑)。サン・ディエゴから200%満足して帰国した後、20代と同じ働き方を30代ではできないと思い、生まれて初めて就職活動をしました。


萩原:

私もサラリーマンに憧れた時期がありましたが、チャレンジしたからこそのご実績ですね。就職なさったのは?


未空:

年齢分だけ落ちると脅かされていましたが、本当にその通りでしたね。毎日のように履歴書が送り返されてきて、写真だけを剥がして、また使い回すという空しい日々が、何ヶ月も続きました。ただ本当に運良く、千代田区の2社に内定をもらえたんですね。そして、最初に内定を頂いた企業に就職したのですが、ここはまだできて間もない新しい会社で、ある漢方薬の普及組織でした。癌患者さんとそのご家族のケアも含めて対応する、「電話相談員」という仕事が始まり、ここが私のカウンセリングの原点です。最初に与えられたのは、資料の調査でしたが、漢方薬の知識もカウンセリングの経験もなく、内心戸惑いながら仕事をしていたある日、朝日新聞の一面に、東洋医学を中心とした療術と、心理療法が同時に学べる学校が紹介されていたんですね。小さな広告でしたが、それを見た瞬間、12年間の霧が「スーーーッ」と晴れたのを、今でもハッキリと覚えています。「ここに行ったら、自分のやりたい事や、今までの思いが全て繋がるのでは?!」と感じて、広告を見たその日の夕方には、勢いでその学校を訪ねていました(笑)。長く辛かった暗黒時代の幕引きですね。とはいえ、お金もかかるので、入学したのはそれから1年後。整体やカイロプラクティス等の実習を含んだ東洋医学のクラスと、夜間の心理療法のクラスに申し込みました。昼間は癌患者さんの電話相談員、夜は療術の学校、帰宅後は毎日ダイアリーを書き、当時はまだブログというシステムがなかったんですよね。メールマガジン週刊「空庵だより」も発行するという、三つ巴の生活が始まりました。ホント若かったんですね(笑)。そんな生活が3年以上続き、「心理療術師」の資格を取得し、やっとの思いで学校を卒業する事ができました。これは本当にうれしかったですね。卒業にあたって、心理療法のK先生から、「できない理由を並べるのではなく、今の自分に何ができるのかを考えながら、常に行動する人になって下さい」という素晴らしい祝辞を頂いて、これは今でも肝に銘じています。そして「未空(みく)」という名前で、インターネットを使ったメールカウンセリングを始めました。


萩原:

「未空」という名の由来は?


未空:

とっさに浮かんだ名前で、私には記憶がないのですが、後に母から「未空という名前で、何かするからと、ずいぶん前から言っていたわよ」と聞かされました。ちょっと話が前後してしまうのですが、プロのWeb業者とタッグを組んで、「ココロのお休み処“空庵”」のホームページが完成したのが、2000年の初夏。スタートしたのが7月4日です。第2の故郷と思っているサン・ディエゴのあるアメリカ「独立記念日」と、私の「真の独立」を目指すという強い想いから、July 4thを選びました。その後、空庵では出張カウンセリングも手がけるようになりました。


萩原:

何かに導かれたような運命的なお仕事の始まりですね。以来、順調に展開されているのですか?


未空:

いいえ、全然うまくいきませんでした! 当時の私は、空庵も職場の人間関係も恋愛も、何もかもが八方塞がりの状況で、朝になると吐き気が止まらず、泣きながら歯を磨いて、出向先の新会社に通っていました。私は立ち上げのスタッフだったのですが、社長の思いつきから炎天下の中、いきなり飛び込み営業をやらされたり、言葉の暴力や嫌がらせはエスカレートする一方。3ヶ月ごとに新しい正社員が辞めていくという悲惨な状況で、精神崩壊寸前まで追い込まれていました。そこで藁をもすがる思いで、知人の紹介で生まれて初めて、占術家のK先生に観てもらいました。後に師匠となるその方から、「占術の勉強をしてみては?あなた才能あると思いますよ」と言われ、本当に青天の霹靂でした!そして、ある日突然、周易の本と、8面体のサイコロの小箱を手渡されたんですね。実はこれが師匠の手作りで、今でも私の宝物です。最初は答えのないカウンセリングの手法と、吉凶のある占術との違いに戸惑い、占術は自分が好きで始めた訳ではないし、合わなかったらすぐ辞めてやると、半ば挑戦的に構えていました。結局、何とか言い訳して、逃げたかっただけなのですが・・・ 最初に習った講座が、たまたま私の誕生日からスタートで、ふとご縁を感じたんですね。それでも生まれて初めて習う占術の勉強は、頭の悪い私にとっては難解で、最終テストをサボったり、大事な演習では恥をかくのが嫌で、申し込まなかったりなど、決して勉強熱心な良い生徒でも、まして優秀な生徒でも何でもありませんでした。ですから、師匠に占術の質問をされても、答えられるはずがないんですね。思わず「すみません」と謝ると、「別に俺に謝らなくてもいいよ。俺は全然、困らないから」と言われるのが、何よりきつかったし辛かったです。でも、これも全ては自業自得なんですよね。数年後、師匠から「あなたは手段にとらわれる事なく、人と向き合う事を自分の仕事と思いなさい」と言われ、今までの迷いが一気に晴れました。そこで占術に限らず、様々なセミナーやレクチャーを受けたり、精神世界やエネルギーワーク、瞑想、ボディーワークに至るまで、広く学び始めたんですね。費用の総額といえば数百万、自己投資につぎ込んだと思います。ですから当時は、いつもビンボーでしたよ(笑)。おかげで、今の自分があります。そしてわかったのは、人生にムダな経験なんて、何一つないということ。経験をムダにする考え方があるだけです。過去は感謝ですね。


萩原:

では、クライアントに対して、具体的にはどのような対応をなさるのですか?


未空:

まず、クライアントの方が一番聞きたい事を、最優先にお答えしていますが、空庵では四柱推命や九星気学などを取り入れた、オリジナルの「命式カルテ」を無料でお作りしているんですね。自分の生まれ持った性格や本質、才能、長所や強みなど、様々な事がわかりますので、出し惜しみする事なく、できるだけ具体的にお伝えしています。空庵のモットーは、「わかりやすく、イメージしやすく」ですから。


萩原:

それらを通して、クライアントの心を和らげ、良い方向へと導くのですね。


未空:

はい、そのように心がけています。今まで身につけてきたスキルを最大限に活かし、様々な角度から、“心の内側にあるテーマ”を見つめていきます。「スッキリしました! これで安心して、前に進めそうです」といったご感想はよく頂くのですが、「長年、抱えていた自分の謎が、ようやく解けました」なんていう方もいらして、空庵のカウンセリングは毎回、宝探しのようですね。また、私は太極拳師範の資格を持っていますので、渋谷で太極拳のお教室も始めました。「ナマケモノ太極拳」といいまして、略して「ナマ拳」と呼んでいます。


萩原:

メンタル面だけでなく、心身両面にアプローチしてくれるのですね。


未空:

その通りです。心と体は一体であり、決して切り離して考える事はできないですから。そして、色々な面から、クライアントの方が「今よりも楽になる」事を最優先に考えて、孤独感に襲われた時は、「あなたは決して一人ではないですよ。何があっても大丈夫!」というメッセージを強く訴え続けたいですね。


萩原:

今後の展開は、いかがお考えですか?


未空:

ZoomやLINEビデオを使った個人セッション、セミナーなどをオンラインをフル活用しながら、継続講座なども計画中です。


萩原:

様々な悩み、不安を抱える人々が増加の一途をたどる昨今ですし、未空先生には一人でも多くの方を助けて下さるよう、ご尽力に心から期待しています。


未空:

ありがとうございます。これからも日々、精進して参りますので、よろしくお願いします。本日は萩原さんにお会いできて、良かったです。この出会いに感謝しています。ありがとうございました。


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