ちょっとイイ話⑨

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アメリカのカウンセラー、ミルトン・エリクソンのロバートという息子が、まだ幼かった頃のこと。

ある日、ロバートは、家の前の歩道で遊んでいるうちに転んでしまい、口の中を大きく切ってしまった。

慌ててエリクソンが駆けつけた時には、息子は口から血を流しながら、激しく泣きじゃくっていた。

すぐにエリクソンは、こう言った。「これはすごく痛いね、ロバート。ああ、痛い。さあて、その痛い

のが消えるのは、いつだと思う?」。すると、狂ったように泣きわめいていたロバートに、ちょっと

した変化が起こった。それまで、痛さや怖さで頭がいっぱいだったのが、いつの間にか、「この痛み

が消えるのは、いつ頃なんだろう・・・」と考え始めていた。そして、ロバートは泣くのも忘れて、洗面所

で傷口を洗うために、おとなしく父親に連れられて行った。ところが、口の中の傷は、エリクソンが

思っていたよりも大きく、すぐさま洗面場が血だらけになってしまった。それを見るなりエリクソンは、

「ほら、見てごらん。とっても赤くて、きれいな血じゃないか? 健康的でイイ色だね」と声を出した。

そのおかげで、ロバートは流れ落ちる自分の血を見ても、恐怖でパニックに襲われる事もなく、赤くて

きれいな血の色に夢中になる事ができた。病院で診てもらうと、やはりロバートの傷は、縫合する必要

があった。エリクソンはロバートに、口の中の傷を縫わなければならないという事を告げたが、こんな

事を付け加えるのを忘れていなかった。「そういえば去年、お前のお兄ちゃんがケガをした時も、やっ

ぱり傷口を縫ったよね。その時は、確か6針だった。さぁ、大けがコンテストで優勝するのは、お前か

お兄ちゃんか、どっちかな? 7針以上なら、お前の勝ちだよ!」。ロバートの手術を担当した医師は、

傷口を縫ったり、消毒したりする間、彼が泣くどころか、とても静かにしている事に驚いた。そればかりか、

縫合が終わると、ロバートは目を輝かせて、医師にこう聞いた。「ねぇ、僕は何針縫ったの?」「9針だよ」

そう医師が答えると、ロバートはニッコリと微笑んだ・・・

♪今日のいいコト♪ 救世主、またもや現る。やはり私は守られてるんだと思う。どうもありがとうございます!

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