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おひとりさまビジネス考

2004 年 8 月 18 日

20040818
「おひとりさま」とは、経済的・精神的に自立した女性、つまり個が確立しており、

一人の時間を楽しめるのはもちろん、他人とも共存できるような女性を指す。

独身・既婚とは関係ない。こうした「おひとりさま」に対して、企業が熱い視線を

注いでいる。彼女達は稼ぐだけでなく、しっかりと使ってくれる。そして、自分磨

きを怠らない。ならば、おひとりさまを「時間」という区切りでとらえてみよう。すな

わち、おひとりさまとしての時間を、どのように過ごすのか?である。従来は「ファ

ミリー向け=一家に1つ」であった商品/サービスを、「一人向け」として提案する。

レインズインターナショナルが経営する「炭火焼肉酒家 牛角」。店内にカップル、

または一人で座れるカウンター席を設ける一方、BGMにジャズを流し、「焼き肉は

誰かと食べるもの」という既存の概念を打ち破る造りとなっている。JR東海ツアーズ

が提供するのは「のぞみスタイル日帰り1day 京都」。手軽な価格と時間で、京都を

満喫できる。「空間建築」では、一人の快適暮らしを意識した高級志向のデザイナ

ーズマンションを多数、紹介している。一人で暮らす快適さを重視した造りのマン

ションは、スタイルを重視する若者から、大きな支持を集めている。ここでの定義と

して「おひとりさま」は女性という事になっているが、ここには男性も含まれると思う。

それは、自分のスタイルを作り出し、自分らしく生きる事に価値を見い出す男性が増え

ているからだ。彼らは、同性異性に限らず友人が多く、社交的であり、多趣味であると

いう特徴を持っている。そんな彼・彼女達に共通するのは、時間とお金の使い方という

事になる。自分らしく=自分の気持ちいい事を追求するという姿勢が、鮮明なのである。

自分の大切なもののために、時間とお金を集中させるという生き方だ。だから、必然的

に一人で行動する機会が増える。共有する事に時間を使うのではなく、エンジョイする

事に時間を使うからだ。マーケティング的に見れば、おひとりさまビジネスは一見、効率

が悪いと感じる。わざわざ「一人」に向けた商品を作り出す手間に対してのリターンは、

いかほどか? だが「おひとりさま」には、「おひとりさま」の友人が多数いる。彼らが信じ

るのは、自分の大切にしている情報源。すなわち、おひとりさまである。だからこそ、おひ

とりさまに評価された商品/サービスは、大きな宣伝費用を使わずとも、確実に口コミで

伝わる事になる。これまでのマスマーケティングの手法は必要ない。必要なのは「一人」

に向けた商品/サービスを、それが「自分」に向けて作られたものであると、認知してもら

うことだ。「おひとりさま」は「一人」ではない。

♪今日の打ち合わせ デザイナーの友人宅で、手作りのヨーグルトをごちそうになる。Honey&Grape Fruitsで甘酸っぱくて美味。

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