2008 年 10 月 6 日 のアーカイブ

ホーム >  未空ブログ > 2008 > 10月 > 06

癌の聖人・聖ペレグリン伝③

2008 年 10 月 6 日

ペレグリンは何年もの間、座ったり横になったりする事を避け、
ほんの少しだけ地面に横たわる事で満足していました。

そんな苦行を続けていたせいか、ペレグリンの足に悪性腫瘍
ができました。彼はこの苦しみをできる限り、隠し通しました。
これ以上隠しきれなくなった時には、病気はもうだいぶ進行
していました。足を切断するしか治療の手立てなさそうでした。

医師達は手術の日取りを決めました。ペレグリンは足を引き
ずって聖堂へ行くと、キリスト磔刑像が描かれた絵画の前で、
「私の腫瘍を治し、傷と痛みをお取り除き下さい」と祈りました。
すると、信じられない事が起こりました。十字架の像が前に
かがみ、そっとペレグリンの傷に触れると、その瞬間、病は
癒されてしまったのです。

1323年、疫病が猛威を奮い、身分に関係なく、フォルリの人々
の命を奪っていきました。来る日も来る日もペレグリンは、
病で苦しむ人達がいれば、小屋だろうと御殿だろうと訪れ、
励まし、支えました。ペレグリン自身は、危険の真っ只中
に身をさらしていたにもかかわらず、感染を免れました。

疫病が静まる頃には、ぺレグリンは人々の尊敬の的となって
おり、また彼自身が奇跡的に癌から治癒した事が知られると、
誰ともなく彼を「聖人」と呼び始めました。事実、病人達に
対する多くの奇跡が成し遂げられましたが、それはまるで
神がペレグリンの願いを、一つなりとも聞き漏らすまいと
しているかのようでした。

1345年、リミニで行なわれた修道士達の集会に、ペレグリン
は修道院長として出席するはずでしたが、その体力は残っ
ていませんでした。その時がきた事を悟ったペレグリンは、
穏やかな様子で、死への祈りに取りかかりました。5月1日、
80歳の誕生日の時、ペレグリンは長きに渡った働きを終え、
この世を去りました。

ペレグリンの死は、公表される前から知れ渡り、街中のみ
ならず周辺の市からも、人々が修道院に押し寄せていました。
あまりの群衆に、その晩は市の門を閉める事ができないほど
でした。群集は聖人の遺骸が教会へ運ばれ、埋葬されるの
を待っていましたが、その間、驚くべき事が起こりました。

昔の伝記作家はこう記しています。「ペレグリンの遺骸が
教会に安置されるや、遺骸から漂う芳香で、多くの病人が
癒された」。聖ペレグリンは現在でもなお、奇跡を起こす
人として知られていますが、この著述家は、遺骸がまだ人
前に安置されていた時に起きた、おびただしい数の奇跡に
ついて語っています。どうやら他の人達に混じって、奇跡
を目の当たりにしていたようで、それは畏敬の念を起こさ
せる出来事であった、と記しています。

聖ペレグリンの驚くべき力を聞きつけて、生まれつき目の
見えない男が教会にやって来ました。男が棺台に近づくと、
遺骸はまるで生きているかのように起き上がり、その場に
いる全員の前で、盲目の男の目に触れました。そして再び、
元のように横たわったのです。男は、自分の目が見えてい
る事に気づきました。この奇跡に人々はひどく興奮してし
まい、その興奮を静めるためには、教会の聖職者達が乗り
出さざるを得なくなったほどです。棺台が置いてある教会
の周りに、武装した守衛達を配置し、人々が聖人の遺品
を持ち去るのを防ぎました。

やがて墓だけでなく、生前の聖ペレグリンに縁の深い場所
にも、崇敬者達が集まるようになりました。キリスト磔刑の
画がある聖堂は、一般会衆向けの礼拝堂に造り変えられ
ました。巡礼者達があまりに殺到したために、修道士達は
そこを手放さざるを得なかったのです。聖ペレグリンに
語りかけ、彼をシエナに導いた、フォルリの大聖堂にある
「恵みの聖母」と呼ばれる画にも、巡礼者がひんぱんに
訪れるようになりました。後にこのフレスコ画は、元の
位置から外され、祭壇の上に飾られるようになりました。
祭壇には銘が刻まれ、現れた奇跡を説明しています。

1639年(ペレグリン没後294年)、フォルリの修道院に
礼拝堂が新設された際、ペレグリンの遺骸が掘り起こ
されましたが、その時も、遺骸は腐敗もしておらず、
「芳(かぐ)わしい香り」を放っていたという事です。

1926年(ペレグリン没後581年)、フォルリ司教は再び
遺骸を調べましたが、どの部分もほぼ完全な状態で
残っていたという事です。

聖ペレグリン崇敬がもたらす祝福は、現在も多々現れて
います。ペレグリンは今もなお、自分を慕う人達を献身的
に執り成し、とりわけ子供達には目をかけてくれています。
20081006
♪ら~ぶれた~ふろ~む~いたりあ~ San Diego時代、一番仲の良かった友達Nadineは、バカンスのために生きていると言っても過言ではない。ボーイフレンドと共に、神出鬼没で人生を楽しんでいる(笑)。さすがは、フランス人。I miss you very much, Nadine.See you soon!

twitterページ
facebookページ
Amebaブログ