2004 年 2 月 15 日 のアーカイブ

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2004 年 2 月 15 日

幼い頃、虹まで歩いてみようと、弟と2人テクテク出かけた事がある。すぐそばに、

すごく大きな虹が、手に取るように見えたからだ。子供の目からは、田んぼを5枚

くらい越えた隣村の手前くらいに、それがあるように見えた。虹は隣村まで歩いた

所で消えた。虹はなかったのだろうか? 少し成長して、虹は雨上がりの水滴に、

太陽光が反射して見えるものである事を学んだ。夏に庭先に出て、兄弟で水遊び

をしながら弟に、虹はなぜできるのかを教えてあげた。ホースの先を少し絞って、

天に向けて水しぶきを上げる。目の前に大きな虹が現れる。弟は虹を手に取ろう

とするが、それを掴み取る事はできない。虹はないのだろうか? まだ若かった父

は大笑いして、虹まで出かけて行っても、虹はないのだと教えてくれた。20代の頃、

経営者になる事に、ずいぶん憧れていた。資産は何もなかったし、ノウハウもなか

った。あったのは、夢だけだった。虹色の夢。街を歩き、店の看板を見ては憧れた。

車窓から誰か、専門家の看板を見ては憧れた。結婚したてで、生まれたばかりの

長男がいた。一人、虹を見ていた。紆余曲折を経て、県都中心に近い所に、事務所

を得ている。それなりに収入を得、それなりに仕事をし、それなりに立場を得るに

至った。毎日毎日クルクルと忙しく、毎日毎日次なる目標を見つめ、あくせく頑張っ

ている自分という現実がいる。ここに見えるのは、約束された虹ではなく、「今ここ」

という現実である。虹は見えない。しかし、明らかに、そして確かに、ここには虹は

ある。あの日、憧れた虹。まだ、今ほど成長していなかったあの時に見えた虹。あの

時の目になって、もう一度見つめ直せば、確かに在る。今、ここからは見えないだけ

なのだ。遠い日から、ここを見つめている自分には、今の僕は確かに、虹の真下に

立っているように見えるだろう。僕はここに立っているぞ。僕からは、まるで見えないが、

君からは見えるはずだ。子供達に、虹はないなどと教えてはいけない。確かにそこに、

虹はあるのだ。雨上がりの水滴に、太陽の光がキラキラと反射して、色はついていない

かもしれないが、それは確かに、虹の真下なのであるとわかる事が大切なのだ。見え

る事だけが存在ではない。今の自分の価値を喜んで受け入れ、“Over the rainbow!”

虹を越えて行こう!

/山本 正樹(経営コンサルタント・株式会社 理想経営代表)

♪今日の切り裂きジャック 友人の職場でタイヤがパンクさせられたり、コートが切られたりetc. 犯人は一体、誰なのか? ストレス社会の闇を知る。

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