2001 年 8 月 7 日 のアーカイブ

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宿題まとめ

2001 年 8 月 7 日

「知の巨人」から、夏休みの宿題まとめが届いた。「無知の巨人」は課題が多い(泣)。

Q. 以下の文章から「与える愛について」考えよ。制限時間:一生(笑)。

~2羽目のスズメの続き~

次に3羽目のスズメが、重い口を開いて、語り始めました。「確かに君達の言う

ように、お天道様も、水も素晴らしい。この世で一番価値ある物は、誰でもその

存在を当たり前だと考えていて、それがある事のありがたさにさえ、気がつかな

いところにあるようだ。皆は、その存在に気がつかないけれども、一番素晴らし

物は、俺が思うには、やはり空気だ。お天道様が隠れても、水がなくても、俺達

は何日かは生きてゆける。しかし、空気がなくなったら、ものの1分もたたない

うちに死んでしまう。そう言われてみれば、気がつくかもしれないけれども、

空気のありがたさは、なかなかわかるものではないね。でも、俺達スズメは、

大空を飛び回る時、思いっきり胸いっぱい空気を吸い込んで、そのありがたさ

に感謝している。水中の魚だって、苦しくなってくると、水面に顔を出し、

パクパク空気を吸い込んでは、感謝しているではないか。それに引きかえ、

人間とは何と傲慢なんだろう。飛行機で空を飛べるのは、自分達の知恵の

おかげだと思っている。そうじゃない。ちゃんと空気があるからこそ、

飛行機も飛べるんだ。空気は、俺達が空を飛ぼうと、人間達が飛行機を

飛ばそうと、1文だって要求しない。俺達は空気に感謝しているが、人間達

が空気に感謝しているのは見た事がない」。太郎は、3羽のスズメ達の話を

聞いて、たいそう悲しくなり、考え込んでしまいました。自分は人間こそが、

万物の霊長で一番偉いんだと教えられていたのに、3羽のスズメが言うような

話は聞いた事がない。自分は、太陽のありがたさも、水のありがたさも、空気

のありがたさも感じた事がなかった。人間とは何と愚かで、バカな生き物

なんだろう。スズメ以下ではないか。そう思うと、太郎は一気に石段を駆け

登りました。その気配に、3羽のスズメは驚いて、飛び立ち、どこかに見え

なくなってしまいました。太郎は、お堂に住んでいる老人を訪ねると、今

聞いたばかりのスズメの話をして、人間がこんなにも愚かならば、人間に

生まれず、スズメに生まれたら良かったと、泣きながら老人に訴えました。

すると、老人はこう答えました。「太郎よ、よく悟ったね。人間とは、一番

素晴らしい物さえ見失っている愚かな生き物なんだよ。その愚かな生き物

であっても、お互い愛し合うという事によって、その罪を許されている。

人間は醜い。しかし、その醜さばかりをいくら見つめていても、醜さは

消えない。神様は、人間の罪を許し、醜さを消すために、愛という魔法の

力をお与えになった。そして、愛があるから、その神秘の力で、人間は

万物の霊長である事を許されているんだよ」

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