2004 年 4 月 27 日 のアーカイブ

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ちょっとイイ話32

2004 年 4 月 27 日

龍村仁監督の「地球交響曲(ガイアシンフォニー)」第2編に出演された佐藤初女さん。

初女さんは青森の自然豊かな処で、「森のイスキア」という癒しの場を営まれています。

そこで、心の傷ついた人々に、自然から採れた食べ物をおいしく料理したものをふるまい、

静かに話を聞くことで、人々に笑顔を取り戻させておられる方です。佐藤初女さんは言い

ます。「“食べる”という事は、“いのちの移し替え”なんですよ」と。「食材を“いのち”として

捉えると、“生かすためには、どういう調理がいいか?”と考えるようになるのです」。食材

は最初は、自分のために生きているけれど、私達に食べられる時は、他人のために生きる

事になります。茹でる時は、野菜が輝くような緑になって、茎が透き通った時にザルに上げる。

炒める時も、食材が透き通ってくる。その時、火を止めて味をつけ、時間が経つと味がしみこ

みます。初女さんはそれを、「食材が自分のいのちを受け渡すこと。味がしみこんだ時、第2

の人生が始まるのです」と言います。おいしく作って、初めて「栄養」になる。並べてみて、

色彩が足りなければ足していく。そうすると、自然とバランスが取れる。最後まで「おいしい」と

感じるものを作っていく事なのです。悩みがあると、人はなかなかものを食べられないそうです。

吐き出さないと、ものは入らないのかもしれません。けれど、何の言葉をかけなくても、一口

食べて「おいしい」と思ってもらった時、伝わるものがあるんだそうです。食材を慈しんで

調理してくれた人。私達に、いのちを移し変えてくれる事を許してくれた食材。そういう心が

伝わるのかもしれません。ごはんを食べると、血が動く。元気が出る。ごはんを食べないと、

元気が出ない。心が満たされない。特におむすびは、心の故郷だと感じるそうです。頼まれて、

病院までおむすびを握りに行った事があるそうです。患者さんが皆、喜んで食べられたそうです。

その中に、体中に管を繋がれた方もおられ、その方も初女さんに「おいしかったです」と言われ

たそうです。咽喉にも管が通り、食べられるはずがありません。初女さんの戸惑いを察したその

方は言われました。「その香りをかいだだけで、本当においしかったのです。元気がもらえました。

ありがとうございます」。私には、ものを噛むことのできる歯も、飲みこむ事のできる咽喉もあり

ます。それを当たり前のようにして使い、なんといい加減にものを食べていた事か。当たり前の事

に感謝する事が、いかになくなっている事か。「感謝がなければ、そこで停まってしまう。感謝する

事で、次に進む」と初女さんは言われます。いのちをくれる食材に感謝していたら、料理を「面倒

くさい」などと思えなくなるでしょう。ものを食べる事のできる体に感謝していたら、体を痛める事を

しようとは思わなくなるでしょう。「面倒くさい」とよく思ったり、料理や家事をするのが好きでなかっ

た自分が、とても考えさせられました。私達に、いのちを移し替えてくれる食べ物への感謝。

その命を頂くことができる自分に感謝。世界は、深い思いにあふれている。つくづくそう思います。

♪今日の夢の続き なぜか人んちで、夜7時から始まるルパンの実写版を見ていた。主演は誰だったんだろ(笑)? ゲッ、間に合わないぢゃん(泣)

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