2010 年 12 月 30 日 のアーカイブ

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亢龍有悔(こうりゅうくいあり)

2010 年 12 月 30 日

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著者の易経研究家である竹村亞希子先生は、「リーダーだけでなく、
全ての人の人生は、段階を追って成長していく龍」と言っている。

周易の第一卦「乾為天(けんいてん)」は、強健、充実の頂点といった
意味だが、それぞれの卦辞(けじ)を読み進めていくと、非常に興味深い。

・初爻(しょこう)<潜龍>
 うまくいかない時。思い通りに事が運ばない時。焦る事はない。「待つ心」
 が重要。

・二爻<見龍>
 憧れを持つ。師匠との出会い。目標を掲げる。未来にボールを投げる。

・三爻<君子終日乾乾:くんし しゅうじつ けんけん>
 終日努力し、夜に怖れるが如く反省する。継続は力なり。同じ事を
 毎日繰り返す。

・四爻<躍龍>
 チャレンジ、挑戦。大きく飛躍するためのタイミングを見計らう。

・五爻<飛龍>
 「万物、皆、師匠」の心を忘れない。周囲に対する感謝の気持ち。

・上爻(じょうこう)<亢龍>
 登りつめた龍は降りるしかない。引き際の美学を心得る。引き際を
 間違えると後悔。

五爻の飛龍まではわかりやすいが、問題は上爻の亢龍だろう。経営者、
政治家など、いつの時代も引き際が最も難しいのだろう。易経を読んで
いると、いつになっても人間の根本は変わらないなぁと思う。

竹村亞希子先生の「人生に生かす易経」は、難解と言われる易経を
とてもわかりやすく解説されている秀逸な本だ。私が2010年に読んだ
本の中で、おそらくベスト1だと思うが、噛めば噛むほど味が出る「スル
メ本」になるコト、間違いなし。一生、そばに置いて、易経を学び、そして
ココロで感じ続けたいと思う。

竹村亞希子先生、素晴らしい本をありがとうございました!

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