嫌な気持ち

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日曜日、あまり急がない仕事に向けて、駅の階段をホームの方にゆっくり
下りていました。緩やかな日差しの優しい感じのする朝でした。私の隣を
杖をついたお年寄りが歩いていました。一歩一歩、段を確かめながら歩い
ているようでした。とても優しい気持ちになっていました。ラッシュ時に
はない、ゆとりのある光景でした。

ちょうど階段の真ん中辺りに差し掛かった辺りで、構内アナウンスが入り
ます。間もなく電車が入るというのです。1本遅らせるのが当然のように、
悠々としている私達でしたが、一瞬にその余裕は消え去る事になります。

背後からすごい勢いで駆け下りて来る学生、お年寄りの後ろで減速を
余儀なくされて、イライラしている様子。幾度か舌打ちをした後、お年
寄りと壁のわずかな隙間をくぐって、電車に向かって行きました。学生
の鞄がお年寄りに当たり、杖が倒れる、お年寄りがよろめく、壁にもた
れてようやく落ち着きました。

多分、私の目は、とても強い目になっていたと思います。その時、その
学生をにらみつけ、「電車に遅れろ!」と思っていました。口に出す
つもりはありませんでした、何か行動を起こすつもりもありません
でした。ただ心の中で「電車に遅れろ!」と間違いなく思ったのです。

その心の意図は「仕返し」です。私は「“仕返し”をするような人間」で
はありません。行動に出して、彼を突き飛ばせば犯罪です。声に出して、
彼をなじれば喧嘩です。どちらも私の主義に反します。何せ私は
「“仕返し”をするような人間」ではないのです。
             
では、なぜ「電車に遅れろ!」という心が現れたのでしょうか。心に現れ
た事だから、その通り行動にする事が、自分の心に素直になるという事
ではありません。行動にすれば、きっと後悔します(自分の思った事を
何でも表現する事は、素直な事でも誠実な事でもありません)。

心に現れた事は、現実の言動になっていないのだから問題ではない
というのも違います。その自分の気持ちの在りようは、知らないうちに
きっと表情や姿勢に表れています(自分が無視している自分の心の存
在が人と社会の思わぬ不適合を生むというのは、心理学の定説です)。

きっと大切な事は「今、確かに、そう思った」という事実を自分で認める
事です。不意に自分の嫌いな心が現れる事があります(私などは1日
に何度もあるような気がします)。その嫌いな心を忌み嫌わずに、その
事実を認める事が大切なのです。意識すればコントロールできます。
「何で今、こんな事、思ったのだろう?」
最近の私の日常テーマです。

/山本 正樹(経営コンサルタント、株式会社理想経営 代表取締役)
20050524

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