2002 年 1 月 3 日 のアーカイブ

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タカクテキモノノミカタⅡ

2002 年 1 月 3 日

ある所に、1人の貧しい未亡人が住んでいいた。彼女は2人の息子を抱え、

細々と暮らしていた。息子の1人が雨傘を売っていたので、毎朝目覚めると、

一番に雨が降っているかどうかを確かめるのが、彼女の日課だった。

どんより曇っていれば、「あぁ、良かった。今日は傘が売れるだろう」

と胸をなでおろしたが、太陽が輝いている日は、一日中憂鬱だった。

もう1人の息子は、団扇を売っていた。毎朝彼女は、空を見上げては、

太陽が雲に隠れて見えなかったり、雨が落ちてきたりすると、眉を曇らせて、

「これじゃあ、売れないだろう」とため息をついた。このように母親は、

天気に関係なく、毎日心を痛めていた。このままでは、彼女が心のバランス

を失うのは、目に見えていた。ある日、彼女は知人から、こんなアドバイス

を受けた。「それは、ちょっとおかしいわ。あなたは、両方の息子さんの

厄介になっているのだから、晴れの日に団扇が売れ、雨の日は傘が売れれば、

どちらもおめでたいじゃないの?!」 それ以来、彼女は心を悩ます事もなく、

幸せにくらしたそうな。めでたしめでたし。

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