2005 年 5 月 14 日 のアーカイブ

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男・土山直純

2005 年 5 月 14 日

月一で行われている東洋の聖書とも呼ばれる天上の詩「バガヴァッド・ギーター」
の解説&瞑想講座に参加するようになって3ヶ月。会場で格闘家の大山峻護さん
にお会いし、見る度に好青年だなぁと思う(笑)。こういうセミナーでは大体、
席が何とな~く決まってきて、彼は私の斜め後ろ辺りに座っている。

そして、ある男性の事を聞いてみた。すると「読んでくれたんですか? うれしい
です。彼に伝えておきますよ。すっごく喜ぶと思いますから」と言われた。彼の名は
「土山直純」。22歳の若武者だ。

大山選手のブログによれば、「僕の友人に土山君という青年がいます。沖縄の平仲
ジムで知り合ったこの青年は、今どきのお洒落な空気を持った好青年です。僕がジ
ムに頻繁に合宿に行くようになってから、ごく自然に親しくなっていきました。そんな
彼が今年、東京に上京して来ました。彼なりの決断があったようです。見知らぬ土地
で寂しくならぬようにと、僕の友人達を紹介しました。まっすぐな彼の性格なためか、
皆すぐに受け入れてくれました。でも、誰にでも好かれる明るい性格を持ったこの
青年には唯一、人と違う部分があります。それは、彼には右足がありません。

もしかしたら僕の友人達でも、まだ気づいていない人もいるかもしれません。それ
くらい彼は自然だし、重いハンデを微塵に感じさせないオーラがあります。きっと
それは、彼の強靭な精神力がそうさせているのかもしれないし、それどころかその
ハンデを自分の誇りとして、抱いているような気にさえさせられます。彼はボクサ
ーです。義足のボクサーです。走れば僕より早いし、もの凄いパンチ力を秘めた
正真正銘のボクサーです。その動きは義足とは思えません。

ただ悲しい事に、日本のボクシング界はまだ義足のボクサーを受け入れる器量が
ないようなのです。アマチュアでは九州高校総体3位。限りない情熱も持っている。
それでも彼は、日本ではプロのリングに上がる資格がありません。歯がゆすぎます。
でも、彼の闘志はそんな事では消えませんでした。5月中旬、彼はプロとしての
スポットライトを浴びるべく、フィリピンに旅立ちます。飽くなき情熱が彼を突き
動かします。夢を叶えようとする力。彼は僕に、どんなにハンデを背負っても、
どんな大きな壁が目の前に立ちはだかっても、あきらめてはいけないという事を
教えてくれました。土山直純。一生懸命に前に進もうとするこの青年の名を、
皆さんぜひ覚えていてくれたらうれしいです」。

そう、土山直純君は義足のボクサーなのだ! 走れば大山選手より早いという部分
を読んだ時、そんな事が可能なのかと正直驚いた。だが、世の中には奇跡を起こす
人間がいる。そして、何より不可能を可能にする人間がいる! 土山君は義足の
ボクサーというよりは、ボクサーなのだが、たまたま義足だったにすぎない。
今までの生き方を見ていて、それぐらい不屈の闘志を感じる。

「減量しながら本気で殴り合うボクシングは、決してスポーツではない。全てに
おいて別格なんだよ。一番苛酷なんじゃないか。減量の苦しみはハンパじゃない
から、俺はボクサーには敬意を表している。好きなだけちゃんこ食って、あんな
デブでも許される相撲とはワケが違う。だから、俺は相撲には全く興味がない
んだ」と言う熱烈な格闘技ファンの未空弟2号は、大山選手の事も知っていた。

「情熱大陸」というTV番組で、山本君のドキュメントを撮り始めたという話を
聞いた。もっともっと彼の存在を世間に知らしめてほしい。遠くフィリピンで
自らを鍛え、戦い続ける彼を応援したい。夢をあきらめず、がんばってほしい。
心からそう思った。「土山直純」。この名前をずっと覚えていよう。

http://doublebeat.txt-nifty.com/allintopower/2005/04/index.html
(4/25の上から2番目の記事に、彼の写真がUPされています)
20050514

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