2009 年 9 月 3 日 のアーカイブ

ホーム >  未空ブログ > 2009 > 9月 > 03

映画「降りてゆく生き方」

2009 年 9 月 3 日

精神科医・香山リカの「しがみつかない生き方(幻冬舎新書刊)」
が売れているという。今、私が一番見たい映画かもと思わされた
「降りてゆく生き方」にも、通じるものがあるのではないだろうか。

この映画は、DVD販売、TV放映を予定していないという。一体、
どんな映画なのか? 私は以下のメルマガを読んで、とても
興味を惹かれてしまった。以下に引用させて頂く。

“団塊の世代で還暦、リタイアを目前にした企業戦士・川本五十六
(武田鉄也)は、成功報酬3億円のビッグプロジェクトを任されます。

新潟の過疎地を巨大リゾートにするための用地買収なのですが、
村民に接するうちに、自然と命を大事にする素朴な人間愛に触れ、
3億円を棒に振って、村民を守る側に転じます。競争社会から
降りて、自分と向き合い、村民の暮らしを見つめ、命と自然を
守るという生き方を選択する姿に心動かされました。

映画では、本当の豊かさとは何か?という大きなテーマに迫って
いきます。誰よりも有能で、誰よりも稼いで・・・ その仕事と
生活を維持するためには、常に誰かを蹴落とし、用地買収する
かの如く、おカネにモノを言わせて、休む間もなく働き続けな
ければならない・・・

それが勝ち組の生きる道だと信じ、頂点を目指し、登り続けて
いた人生に、ピリオドを打った川本五十六。高い山頂から村を
見降ろして、「登って行く時には、頂上しか見えなかった。
降りて行くと、自分の足元や周りの景色がよく見える」と
いう言葉には、自分の足元すら見えなくなっていた生活に
別れを告げた時に、失っていたものを見出し、離婚協議中
の妻に全財産を渡し、この新潟に移り住む決意をするのです。

心理学的に言うと、競争社会で勝ち組になるよりも、命の大切
さに気づき、人と自然を大事にする生き方へと、パラダイム
シフト(物の見方が変わる)が起きたのです。

「降りてゆく生き方」ウェブサイト
http://www.nippon-p.org/index.html

この映画ができた背景には、北海道浦河町の精神障害者ばかり
が作った会社「べてるの家」をヒントにでき上がりました。

ここには統合失調症や双極性障害、鬱病などの心の病気を患い、
生きにくい社会から逃れてきた人達が集まっています。

初めは、北海道の特産品である昆布を袋詰めする下請の作業
所として、スタートしました。しかし、薬でボーッとしたまま、電話
に出た時に、「昼間から酒を飲んでいる」と勘違いされて、仕事
を回してもらえなくなりました。そこで、下請けではなく、自分達
の会社を作ろうという動きが、作業所の中で沸き起こりました。

そして、全員で、どんな会社にしたいかを話し合いました。
心を病んだ人が安心して通える居場所、儲けにならないところ
を大事にする、調子が悪い時には、お互いに気兼ねなくカバー
し合える会社・・・ 色々な意見が出て、その全てを実現させ
る形でスタートしました。

出資金も捨てる覚悟で始まったのですが、そこの医療や福祉
の専門職、町民のボランティアが関わり、応援し合いました。
協力者は応援者であって、主体は当事者です。

このウェブサイトを見れば、べてるの経営理念が書かれています。

・3度の飯よりミーティング → 話し合いを大切にする

・安心してサボれる環境作り → 休みたい時に、お互いにカバーし合える

・弱さを絆に → 自分の弱さをさらけ出しても、受け止めてくれる仲間作り

「べてるの家」ウェブサイト
http://bethel-net.jp/index.html

こんな会社が利益を生み出す訳はないと、みんなが思っていた
のですが、何と、年商1億円をはじき出す黒字経営。何ともすご
いパラダイムシフトです。
 
そして、更に驚いたのは、べてるの家では、「病気は治す」もの
とは思ってない事です。病気のままで生きるためにどうするか?
を考えます。そのために、自分で病名をつけます。

例えば「鬱病」という診断名ではなく、「締切のプレッシャーに
弱い症候群」というように、自分の病状を誰が聞いても、「どんな
状況になったら、体調を崩すのか?」がわかる病名にします。

そうすれば、周囲はどんな時に、その人の仕事を配慮すれば
いいのかがわかるのです。ありのままを受け入れて、ありの
ままで生きる。病気である事を恥じる必要もなく、迷惑な存在
と疎(うと)まれる事もない。

競争社会から降りてみれば、こんな気づきが生まれる。そして、
そこから誰もが大切にされる会社が生まれ、大きな利益を生み
出したのです”

/ 徳永 京子(踊る保険士)
 メールマガジン「メンタルヘルス最前線」より抜粋、引用
 http://www.mag2.com/m/0000287819.html 

20090903
横浜中華街のお店に入った途端、「うわーっ、足長っ!」と思ったら、マネキンのお姉さんでした(笑)

twitterページ
facebookページ
Amebaブログ