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未空武者修行第弐弾「野口体操」

2005 年 8 月 4 日

元々スポーツは、見るのもやるのも全くの無関心だった私が太極拳を始め、気がつけば10年。
そろそろ太極拳以外のボディーワークも体験してみたいなぁと考え、全国行脚の“武者修業”
に出る事にした(笑)。S先生にその旨を告げると「あら、いいじゃない。外の世界を色々と
見て来るのも大切な事だから。私にも教えてね」と言われた。

しからば拙者、行って参りまするぅとばかりに、最初に向かった先が同じ気功仲間の「練功」
だった。これは不思議な事にヴェーダに結びついてしまう。とゆーワケで、今回の「野口体操」
は武者修業第弐弾となる。私は名前だけは知っていたが、よくわからないまま、とりあえず
申し込んでみたというのが真相だ。

「自然に貞く・体に貞く・自然直伝の野口体操は、東京芸術大学名誉教授・野口三千三(のぐち
みちぞう 1914~1998年)によって創始された。体育界ではアウトサイダーとして生き抜いた
野口三千三は、“体操による人間変革”を戦後50年かけて追及した。野口先生は、“人間の
外側から何かを付け加えたり、取り除いたりするのではなく、人間の一生における可能性の
全ての種・芽は、現在の自分の中に存在する”と考え、自分自身の体の動きを手がかりとして、
自分も含めて誰も気づいていない無限の可能性を見つけ、育てる野口体操を編み出した。

世界に類を見ない独自の方法論を持つ野口体操は、体の動きを通して人間を見直す“身体
哲学”としても、幅広い層の人々に支持されている。野口体操では、生きる事、それ自体
が創造だと捉える。そして、創造する前に自分自身の体をニュートラルにしておきたい、
と考える。

まず、最初の方法として、生き物本来の在り方を探る。つまり、生き物の特徴は柔らかさに
ある。成人の体の60~70%が水である事はよく知られているが、その湿っぽさ、言葉を変え
れば“瑞々しさ”が柔らかさを生み出している。野口先生は、“柔らかさとは、変化の可能
性の豊かさ(野口語録)”と捉え、柔らかさの別名でもある滑らかな動きを大切にする。

こうした野口体操独自の価値観に基づくメソッドを学ぶ時、言葉による誘導は大きな意味を
もつ。“身体と意識”“身体と言葉”の関係を探りながら、体操を続ける事によって、あらゆる
場における“しなやかな生き方”に通じる基礎・基本的な感覚が養われる。

そして、柔らかくほぐれた体に出会う事は、“身体と意識”がちょうど良い関係を見つけて
いく条件として、キーポイントになる。野口体操の会では、野口三千三没後も、これまでに
培ってきた力を抜き、感覚を開く具体的な方法で、力まず・焦らず・他人と比較せず、生き物
としての瑞々しさを取り戻す野口哲学と動きのエチュードを日々、探り続けている」んだそうな。

今回の受講生は20人ぐらいで、男女比は3:7ぐらいだろうか。年代は30~40台が中心かな。
「教師のための野口体操」というタイトルが付けられているが、教師はチラホラ程度。最初
に現在、野口体操の会を主宰し、後継者でもある羽鳥操先生(56歳)が黒板に書いた、
野口三千三の語録に思わず唸ってしまった。

「目的を意識した時、感覚は汚染される。目的意識に汚染されない感覚で、いつも新しく
素直に感じ取る事が大切である。感覚は元々、自分で味わう以外に味わいようがなく、
元々孤独なものである」

すぐに瞑想と結びついた。目的意識に汚染されない感覚か。こ、これは深い意識レベルだ。
練功とは全く違う。恐るべし野口体操! 竹がクルクルと回転して奏でる、柔らかな音の
「竹音琴」やNASAが開発したオービック・ボール(←だったと思う)を使いながら、その動き
に合わせて体を動かしてみる。ちょうど羽鳥先生が「どれだけ一人遊びが得意かがわかり
ます」と言った頃、私はすっかりオービック・ボールの糸が絡んで悪戦苦闘しており、
ある意味一人遊びの極みだった! 見るに見かねた常連の生徒が、新しい物を持って
来てくれて助かったが、「コレって私だけ?」by だいたひかる(笑)。

「体の省エネという快感」がもう1つのテーマになっており、「体は流体である。皮膚という
伸び縮み自由な生きている袋の中に、液体(体液)がいっぱい。その中に、脳も内臓も
筋肉も骨も浮かんでいる」という事を実感できるマッサージを2人1組で行う。このやり方
だったら、超ブッキーな私にもできたので感動した。

野口先生は「主観が一番大事」という考え方の人で、ある体操に「仙台の夜」という名前
が付いてるそうな。これはある時、先生が仙台で体調が悪くなった際、この体操をやった
ら元気になったのが由来とか(笑)。もう主観バリバリ! 最高だと思ったね。生きてる
間に、野口先生に会ってみたかったなぁ。その他にも「おヘソの瞬き」と呼ばれるモノや
「コンニャク体操」というのもある。

S先生以外で、初めて尊敬できるステキな指導者だなぁと思ったのが、この羽鳥操先生で
ある。さすがは野口先生の秘蔵っ子と呼ばれ、20年間助手を務めただけの事はある。また
国立音大ピアノ科卒業という事もあり、音楽高校でピアノ専攻だった私と近い匂いを感じた。

知れば知るほど奥深く、まさに身体哲学と呼ぶにふさわしい「野口体操」は多分、またご縁
があると思う。武者未空の修行行脚はまだ始まったばかり。“知れば知るほど、知らないを
知る”を改めて実感す。第参弾は「きくち体操」。しからば本日は、これにて御免(笑)
20050804

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