2005 年 8 月 26 日 のアーカイブ

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映画「野良犬」

2005 年 8 月 26 日

黒澤明監督の映画に「野良犬」というのがある。日本映画に刑事もののジャンル
が確立された記念すべき作品だ。終戦後、2人の兵士が命からがら、日本に引き
上げてくる。所有物といえば手荷物1つだけ。その大事な荷物を混んだ電車の
中で盗まれてしまう。戦後の混乱期にはよくある話だ。2人共ショックを隠せず、
我が身を、戦争を、この時代を呪う。問題はその後だ。

かたや「こんな目に遭うのは、自分で最後にしたい。2度とこんな悲劇が起こら
ない世の中にしよう」と思い、刑事(三船敏郎)になる。そして、もう一方の被害
者は、「こんな目に遭わせた奴を絶対許さない。この悲劇を思い知らせてやる」
と考え、犯罪者になる。ピストルを奪われた新米刑事はベテラン刑事と共に、
そのピストルで殺人を続ける犯罪者を追いつめる過程を克明に描いており、
戦後の社会の猥雑な風景と灼熱の夏の陽射しが、エネルギーを感じさせる。

この2人にとって、起こった出来事は同じだ。共に生き延びた復員兵で、同じ混んだ
電車に乗り、唯一の荷物を盗まれる。だが事実の捉え方次第で、その後の人生が
大きく変わってくる。「盗まれた荷物」が運命のターニングポイントになった2人。

こういう状況は人生の中で、しばしば起きるのではないか? 恋愛、仕事、人間
関係etc. 人は、うまくいかない事で試されたり、うまくいく事で試されたりする。
そして、うまくいかない時、いつも2つの道がある。人のせいにするか、自分が
変わるか。

他人を気づかせようとする人ほど、本当の原因が自分にある事に気づいていない。
これは私に向かって言っている。期待が大きい時ほど、人間関係もうまくいかなく
なる。期待とは、相手を思い通りにしようとする事だ。

腹が立つのは、腹が立つように考えただけであり、相手がどうかの前に、自分が
どうしているか。そして、自分が他人に対して思う不満と、他人が自分に対して
思う不満は、常に一定であるという側面も見逃してはならない。

そういえば最近、野良犬って見ないなぁ。世間一般論としてのイマドキの負け
犬なら、ここにも1匹いるけど(笑)。コレだって捉え方次第だよね。響きは共に
「まけいぬ」だけど、私は「魔蹴犬」だから。魔を蹴散らす犬なのよぉ。どうどう?
パワフルでゴキゲンなワン公って感じがしませんコト(笑)?

「生きるとは、どう生きるかを決めること」

陽気な魔蹴犬でいこう♪
20050826

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