2007 年 8 月 16 日 のアーカイブ

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国民総幸福

2007 年 8 月 16 日

クライアントのTさんから、NHK総合でハイビジョン特集の再放送が
5夜連続であると教えてもらった「五木寛之 21世紀 仏教への旅」

旅はインドから始まり、ガンジス河で誕生日を迎えた事のある私には、
菜の花畑や道路脇で飲むチャイなど、懐かしい風景がたくさんあった。

前回はネパール&北インドを回ったので、次回は南インドに行って
みたい。というのも、私と縁の深いお寺があり、一緒に行く人も
多分、決まっている。そして、これは数年後に実現するであろう。
・・・ねっ、G.A(笑)? マジで連れてって下さいよ。

放映時間が深夜0:10~2:00なので、朝早い方にはかなりキツいが、
昨夜のブータン編は特に見応えがあった。私は昔から、なぜか砂曼
陀羅が大好きだった。初めて見た時は本当に感激感動で、それこそ
強烈にチベットやブータンに行きたいと思ったのを覚えている。

どうしてこんなに惹かれるのか? 大きな作品ともなれば、数人の
僧侶が咳やクシャミ一つできない緊張感の中で、数ヶ月にもわたっ
て作られる。出来栄えのそれはそれは見事なこと!

ただひたすら素晴らしく美しい。最初はこの芸術ともいうべき作品を、
何とかして保存しておけばいいのにと考えていたが、これこそ人間
の執着以外の何ものでもないのだ。

後に、ある一定期間が過ぎると、惜しげもなく川に流される砂曼
陀羅を見て、これこそ執着を戒める有り難い教えだと実感できた。

番組の中に登場した父を亡くして、仏門に入る決意をした13歳のブー
タンの少年僧。寺院の目と鼻の先に住む家族の家には、修行の妨げ
になるからと帰りたくても帰らない。たった13歳、日本でいえば中学
1年生。ついこの間まで、小学生だった男の子だ。

その強さ、優しさ、潔さ、たくましさ、清らかさ、素直さetc. 私が
日頃、忘れかけている人間の尊い姿を見るような気がして、グッと
込み上げてくるものがあった。こんな子供がまだ世界中にいるのだ。

たった13歳の少年僧に比べ、ずっと年上の私の何とも情けない事、
弱っちい事、甘っちょろい事、幼い事、人間力の低い事(号泣)。

超生ぬるい自分が恥ずかしく、とても彼らを直視できない。あまり
に欲がなくて、素朴で輝かしいのだ。

ブータンの国民総生産は日本の50分の1だというが、では日本は
ブータンの50倍幸せなんだろうか? 

ブータンでは国の政策として、国民総生産(GNP:Gross National Product)
ではなく、「国民総幸福(GNH:Gross National Happiness)」を目指
しているという。この背景にある仏教の底力、奥深さを感じずには
いられなかった。日本の仏教は、どこに向かって行くのだろう?

「五木寛之 21世紀 仏教への旅 ブータン編」を、もっと早い時
間帯での再々放送を切に望む。今こそ多くの日本人に見てほしい。
20070816
♪ちょっと見、カブ? 可愛くておちゃめな形をしているが、辛み大根というだけあって、かなり辛いらしい。ネパールは野菜が豊富で、屋根の上で大根を干している風景は、100年前の日本の農村をカラーで見ているようで、どこか懐かしかった。ブータンの市場にも、新鮮な野菜がたくさん並んでいて、どれもおいしそうなんだよね。

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